
『IXY 30S』
ツヤツヤでビカビカなイタリアンカラーに身を包んだ『IXY 30S』を持った3人がいろんなところにお散歩に出掛けて写真を撮ってきた。
前回はいきなり筑波サーキットに行ってしまったが、今度はもっと身近な所で普通に使ってみたいと思う。さらに『IXY 30S』のサイトにあるDIMEのコンテンツ内の「IMPRESSION」の作例がいかにして撮影されたかも交えてレポートしてみたい。
コンデジといえば散歩または日常生活をメモしてブログに上げるとか、気に入った画像をプリントしたり、PCの壁紙にしたり、そんな使い方が多いだろう。今回、作例撮影に参加してもらった1人目は、『LENSBABY Composer』でモデルをやってもらったアヤポチこと大橋綾子さんである。愛機はリコー『GR DIGITAL』とパナソニック『GF-1』それからローライフレックス『Minidigi』で銀塩はオリンパス『PEN-EES』と……ってどんだけカメラもってんだよ。他にもあるようだが省略。『IXY 30S』は白がお気に入りとのこと。ツヤツヤ感がやばいそうだ。お散歩コースは神田川沿いの江戸川公園。ここにはたくさんのネコがいる。アヤポチは小動物好きで自分でもハリネズミとセキセイインコを飼っているのだ。その愛情ある視点で捉えたネコがこれだ。いや、何か不機嫌そうだけど、いいのかこれで。
ちなみにこんな具合に撮影している。ネコはネコ目線になるのがいいらしいが、道路だと大変なので、こういった高いところにいるネコは狙い目だという。

インパクトのあるネコの肉球の写真。これはかなりローアングルだ。クルマの下で寝ころんでいるネコのように見えるが……

やっぱりそうだったのか。ここまでアングル下げないとネコ目線の写真は撮れない訳か。ネコ写真への道は厳しい。バリアングル液晶付きのデジカメが欲しいところだ。

次にアヤポチが撮ったのが、水面に映る木々とモミジの葉。AFが迷いそうな被写体だが、思ったところにピントが来たそうだ。デジイチと違ってMFが面倒なコンデジの場合、狙ったところにAFが合わないとイライラするのでこれは重要なポイントだ。

アヤポチが電線に集まった小鳥たちを狙っていた。16:9モードがあることを教えて、比率を変えてから撮影。完全な逆光だが、こだわりオートのまま撮影しても問題なかった。やっぱりコンデジはオートでサクサク撮れるのがいい。それでも気に入らないときだけ、露出補正とか絞り優先モードなどを使えばいいのだ。

アヤポチが白なら、こちらは黄色のボディーをドライブに持ち出した。目的地は西伊豆にある自称、東洋のコートジボワール岩地温泉である。その途中に寄った伊豆の『アカオハーブ&ローズガーデン』にて撮影。雨上がりの曇り空だったので植物の柔らかい感じがよく出ている。絞り優先モードを使って絞りF2.8で撮影。これがニコンのデジイチの28mmと55mmのマクロなんかだとかなり固い描写になるのだが、キヤノンは一味違う。

こっちはラベンダーで手前にはテントウムシのさなぎが付いている。絞りはF3.2で、背景のボケはなかなかいい感じだ。F2.0まで開けると被写界深度が浅すぎて、ちょっと使いにくい。屋外で風があると被写体が動いてピント合わせも大変なのだ。F3.2でも背景はボケてくれるところがいい。その理由は望遠側が105mm(35mm換算)まであるからだ。ちょっと望遠にしてやれば背景はボケてくれる。これがLEICA『D-LUX4』の場合は望遠側が60mmしかないので、ちょっと厳しいのだ。一般的にズームレンズは広角側の画角を頑張ると、望遠側の倍率が少なくなる傾向にある。28mmで3.8倍か、24mmで2.5倍かそれが問題だ。

今度はブラックボディーの『IXY 30S』をDIME本誌でも活躍中のフォトグラファー、向井渉さんに渡して、魚眼風、ジオラマ風などのモードで撮影してもらった。魚眼の定番は犬なのだが、今回はそれに対抗してネコが選ばれた。向井さんもネコ目線、地面ギリギリで狙っている。彼によれば魚眼モードの秘訣は、誰でも元の形を知っている被写体を変形させることだという。マクロモードに切り替えずにそのまま被写体に寄っていけるのが良かったと『IXY 30S』についても語ってくれた。

しかし、それではつまらないので私はハーレーダビッドソンのオートバイを魚眼風で撮影してみた。巨大なVツインエンジンをさらに強調!

次はビル街を撮るのが定番のジオラマ風。ミニチュアモードとも呼ばれ、とにかく風景がミニチュア模型で作ったように見えるモードだ。向井さんは、ビル街を避けて、交差点や駅のホームなどを撮影。ジオラマ風のコツは、あまり広角側で撮らないこと。標準から望遠で撮るほうが良いそうだ。高さはビルの3〜4階ぐらいでも大丈夫。歩道橋から撮ってもいいそうだ。今回の撮影では、ジオラマ風の効果の幅は一番狭くして、センターよりやや下げた位置で撮影。下にしたのは背景に建物を多く入れるため。ただし、あまり奥行きを出すとジオラマっぽさが薄れるそうだ。

最後は工場&廃墟マニアのアヤポチに案内してもらった夜の工場。高感度センサー&DIGIC4の実力をお見せするため、リサイズなしでアップした(クリックすると表示)。これを機にデジカメ関連の記事の場合は、リサイズなしのデータをアップしていきたい。ちなみに今回は他の画像データもリサイズなしである。夜景撮影はすべて手持ちで行なったので、多少アングルがずれてしまっている。またかなり照明が明るいため、ISO1600で撮る必要はなく、私だったらISO400で撮る。ちなみにISO200でも撮ったのだがブレたのでボツにした。やはり手ブレ補正機能の限界は1/8秒ぐらいであることを確認できた。

ISO400 F2.0 1/8 -1EV

ISO800 F2.0 1/15 -1EV

ISO1000 F2.0 1/20 -1EV

ISO1600 F2.0 1/15
こうして1か月近く使ってみると『IXY 30S』は散歩から仕事までこなせる万能モデルであることがわかってきた。沈胴式なのでケースレスでポケットに収まり、撮りたい時に出してすぐ撮れる。これが便利。さらに暗いところでストロボをたかなくてもいいので、取材の時に屋内で顔写真を撮ったり、何か見せてもらった物を撮影するのにも使える。28mmじゃ広角側が足りないとも思ったが、上下をカットする16:9モードを使えば何とか広い感じも出せる。HD動画も撮れて、音声もステレオPCM録音で、ハイスピード連写とかスロー動画とかいろいろおもしろい機能もある。あとはワイコンが使えて、スイングパノラマ機能があれば最高なのだが、そんなコンデジは存在しないので諦めよう。発売当初は3万9800円と価格もハイエンドだったが、6月に入ってからジワジワと価格.comのグラフが右下がりになり、現在は2万6600円のコスパモデルになっている。F2.0からの広角ズームと高感度センサー&DIGIC4、そしてツヤツヤ塗装とこだわりのフォルム。この内容でこの価格のコンデジは、今後もなかなか出てこないと思う。
キヤノン『IXY 30S』

【SPEC】
●幅100×高さ54.1×奥行き23.6mm、約175g(撮影重量)。有効画素数=約1000万画素。焦点距離=28〜105mm(35mm換算)。開放F値=F2.0〜5.3。
■キヤノンのホームページ
http://canon.jp/
■『IXY 30S』の製品ページ
http://cweb.canon.jp/camera/ixyd/30s

川野剛
カメラマンに憧れ中1で押し入れ暗室にこもる。高校で写真部部長。コピーライターとなるが、会社を辞め単身カナダに渡りアウトドアインストラクターを目指す。帰国後、AV、家電、デジカメ、Macの好きなライター稼業を続ける。家事検定3ツ星、NPS会員。
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インパクトのあるネコの肉球の写真。これはかなりローアングルだ。クルマの下で寝ころんでいるネコのように見えるが……
やっぱりそうだったのか。ここまでアングル下げないとネコ目線の写真は撮れない訳か。ネコ写真への道は厳しい。バリアングル液晶付きのデジカメが欲しいところだ。

次にアヤポチが撮ったのが、水面に映る木々とモミジの葉。AFが迷いそうな被写体だが、思ったところにピントが来たそうだ。デジイチと違ってMFが面倒なコンデジの場合、狙ったところにAFが合わないとイライラするのでこれは重要なポイントだ。
アヤポチが電線に集まった小鳥たちを狙っていた。16:9モードがあることを教えて、比率を変えてから撮影。完全な逆光だが、こだわりオートのまま撮影しても問題なかった。やっぱりコンデジはオートでサクサク撮れるのがいい。それでも気に入らないときだけ、露出補正とか絞り優先モードなどを使えばいいのだ。
アヤポチが白なら、こちらは黄色のボディーをドライブに持ち出した。目的地は西伊豆にある自称、東洋のコートジボワール岩地温泉である。その途中に寄った伊豆の『アカオハーブ&ローズガーデン』にて撮影。雨上がりの曇り空だったので植物の柔らかい感じがよく出ている。絞り優先モードを使って絞りF2.8で撮影。これがニコンのデジイチの28mmと55mmのマクロなんかだとかなり固い描写になるのだが、キヤノンは一味違う。
こっちはラベンダーで手前にはテントウムシのさなぎが付いている。絞りはF3.2で、背景のボケはなかなかいい感じだ。F2.0まで開けると被写界深度が浅すぎて、ちょっと使いにくい。屋外で風があると被写体が動いてピント合わせも大変なのだ。F3.2でも背景はボケてくれるところがいい。その理由は望遠側が105mm(35mm換算)まであるからだ。ちょっと望遠にしてやれば背景はボケてくれる。これがLEICA『D-LUX4』の場合は望遠側が60mmしかないので、ちょっと厳しいのだ。一般的にズームレンズは広角側の画角を頑張ると、望遠側の倍率が少なくなる傾向にある。28mmで3.8倍か、24mmで2.5倍かそれが問題だ。
今度はブラックボディーの『IXY 30S』をDIME本誌でも活躍中のフォトグラファー、向井渉さんに渡して、魚眼風、ジオラマ風などのモードで撮影してもらった。魚眼の定番は犬なのだが、今回はそれに対抗してネコが選ばれた。向井さんもネコ目線、地面ギリギリで狙っている。彼によれば魚眼モードの秘訣は、誰でも元の形を知っている被写体を変形させることだという。マクロモードに切り替えずにそのまま被写体に寄っていけるのが良かったと『IXY 30S』についても語ってくれた。

しかし、それではつまらないので私はハーレーダビッドソンのオートバイを魚眼風で撮影してみた。巨大なVツインエンジンをさらに強調!
次はビル街を撮るのが定番のジオラマ風。ミニチュアモードとも呼ばれ、とにかく風景がミニチュア模型で作ったように見えるモードだ。向井さんは、ビル街を避けて、交差点や駅のホームなどを撮影。ジオラマ風のコツは、あまり広角側で撮らないこと。標準から望遠で撮るほうが良いそうだ。高さはビルの3〜4階ぐらいでも大丈夫。歩道橋から撮ってもいいそうだ。今回の撮影では、ジオラマ風の効果の幅は一番狭くして、センターよりやや下げた位置で撮影。下にしたのは背景に建物を多く入れるため。ただし、あまり奥行きを出すとジオラマっぽさが薄れるそうだ。

最後は工場&廃墟マニアのアヤポチに案内してもらった夜の工場。高感度センサー&DIGIC4の実力をお見せするため、リサイズなしでアップした(クリックすると表示)。これを機にデジカメ関連の記事の場合は、リサイズなしのデータをアップしていきたい。ちなみに今回は他の画像データもリサイズなしである。夜景撮影はすべて手持ちで行なったので、多少アングルがずれてしまっている。またかなり照明が明るいため、ISO1600で撮る必要はなく、私だったらISO400で撮る。ちなみにISO200でも撮ったのだがブレたのでボツにした。やはり手ブレ補正機能の限界は1/8秒ぐらいであることを確認できた。
ISO400 F2.0 1/8 -1EV
ISO800 F2.0 1/15 -1EV
ISO1000 F2.0 1/20 -1EV
ISO1600 F2.0 1/15
こうして1か月近く使ってみると『IXY 30S』は散歩から仕事までこなせる万能モデルであることがわかってきた。沈胴式なのでケースレスでポケットに収まり、撮りたい時に出してすぐ撮れる。これが便利。さらに暗いところでストロボをたかなくてもいいので、取材の時に屋内で顔写真を撮ったり、何か見せてもらった物を撮影するのにも使える。28mmじゃ広角側が足りないとも思ったが、上下をカットする16:9モードを使えば何とか広い感じも出せる。HD動画も撮れて、音声もステレオPCM録音で、ハイスピード連写とかスロー動画とかいろいろおもしろい機能もある。あとはワイコンが使えて、スイングパノラマ機能があれば最高なのだが、そんなコンデジは存在しないので諦めよう。発売当初は3万9800円と価格もハイエンドだったが、6月に入ってからジワジワと価格.comのグラフが右下がりになり、現在は2万6600円のコスパモデルになっている。F2.0からの広角ズームと高感度センサー&DIGIC4、そしてツヤツヤ塗装とこだわりのフォルム。この内容でこの価格のコンデジは、今後もなかなか出てこないと思う。
キヤノン『IXY 30S』

【SPEC】
●幅100×高さ54.1×奥行き23.6mm、約175g(撮影重量)。有効画素数=約1000万画素。焦点距離=28〜105mm(35mm換算)。開放F値=F2.0〜5.3。
■キヤノンのホームページ
http://canon.jp/
■『IXY 30S』の製品ページ
http://cweb.canon.jp/camera/ixyd/30s
川野剛
カメラマンに憧れ中1で押し入れ暗室にこもる。高校で写真部部長。コピーライターとなるが、会社を辞め単身カナダに渡りアウトドアインストラクターを目指す。帰国後、AV、家電、デジカメ、Macの好きなライター稼業を続ける。家事検定3ツ星、NPS会員。
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