
『IXY 30S』
高感度センサーとDIGIC4を搭載したIXYシリーズのハイエンドモデルが登場。筑波サーキットで開催される2輪のレースでその高速連写機能の実力を試した!
最近、コンデジの画質がどんどん向上している。散歩や旅行だけでなく、ちょっとした取材もコンデジだけで大丈夫なパターンが増えてきた。しかし、重くて大きくてかさばるデジイチ+望遠ズームが欠かせないイベントがある。それはコミケ……ではなくレースである。特にストレートもコーナーも速い4輪のレースは難易度が高い。プレスパスを取れないとコースに近付くこともできず、まあ写真はあきらめてレース観戦に専念というパターンになる。2輪の場合は、サーキットによってはコースのすぐそばで撮影できたり、トップスピードそんなに上がらないこともあり、比較的撮りやすいことが多い。というか自分も参戦しているレースでは、誰かに走行シーンを撮ってもらいたいのだ。
特に筑波サーキットはイチヘア、えーと、最初のヘアピンコーナーが180度以上曲がっているためどんなに速いレーサーでもかなり減速しないと曲がれない。ここで狙えば案外、コンデジでも撮れるのではと前々から考えていた。実際に高倍率ズームを搭載したコンデジで撮影したみたのだが、いろいろな問題が発生した。
1.液晶ビューファインダーの反応が遅い
2.AFの速度が遅い
3.連写速度が遅い
4.書き込み速度が遅い
具体的には上記のような問題だ。AFが遅いという問題は、MFにして予めピントを合わせておく、いわゆる置きピンという技で回避できる。ファインダーの反応も慣れれば早めのタイミングでシャッターが切れる。3と4に関しては処置なしで、むしろ連写はやめて一発必中にした方が狙い通りの写真が撮れることがわかった。耐久レースならそれでもいいのだが、スプリントレース場合、決勝は8周前後で終わり。つまり移動しなければ8枚しか撮れない計算だ。ということで、結局デジイチを持っていくか、潔くコンデジでスナップ写真に徹して、走行写真はプロに任せていた。
するとキヤノンから高感度でもキレイというコンセプトの『IXY 30S』が登場した。裏面照射型のCMOSを採用したおかげで、連写性能もアップして、250万画素なら1秒間に約8.4コマ撮影できるという。さらにDIGIC4のおかげで、メモリーが満タンになるまで連写できるのだ。これはまさに筑波サーキットにもってこいのコンデジだ。
コンデジの売れ筋価格帯は2万円台、上級機も3万円台が多い今日この頃、実勢価格約4万円という強気のハイエンドモデルだけあって、カラーは5色もある。『IXY 30S』のデザイナーはランボルギーニ『ガヤルド』のホワイトとブラックが走行するシーンを頭に浮かべながらデザインしたと語ってくれた。つまり最初の色はホワイトとブラック。そしてIXYに欠かせないシルバー。最後にこのモデルらしさを色濃く反映したレッドとイエローが加わったのだろうか。

私のオススメはホワイトである。下地から始まってクリアーまで4層に塗られたというカラーにはいままでのコンデジにはない深みと厚みがある。

さらによく見るとブラックとホワイトでは部品の表面仕上げが異なる。ザラザラしたマットブラックのサイドパネルは光沢があってツヤツヤだが、ホワイトの同じパーツはツヤ消しのマット仕上げである。

そしてレンズの外周にあるリングの色もホワイトはシルバー、ボディー色がシルバーならブラックのリングになっている。この辺りのこだわりがハイエンドなのか。

レンズは28mmから105mmのズームで開放F値はF2.0と沈胴式のズームの中では抜群に明るい。惜しいのはちょっとでもズーミングするとF2.5になること。105mmではF5.3になってしまう。まあ、広角側が明るい方が実用的であることは確かだ。

私が気に入ったカラーはイエローだ。イエローのカメラというのは見たことがない。防水銀塩カメラのオレンジの『ニコノスV』と合わせてもっと目立ちたい。

さらに今回画期的なのは、今までかたくなに4:3のフォーマットサイズを守ってきたキヤノンがコンデジで16:9の静止画に対応したこと。上下をトリミングしているので画角自体が広がるわけではないが、大画面TVにHDMI接続して見るときなどに便利。私は広角好きなので普段から16:9で使っている。それから絞り優先モードにすると下に絞り値とシャッター速度が表示され、右端にISO感度も出る。この状態で構図用のグリッドも表示できるところが非常に使いやすい! なぜかグリッドを出すと他の表示が出ない仕様のコンデジが多いが、さすがカメラメーカーである。グリッドのラインも細くていいのだが、黒なので見にくい場合がある。私は白の方が好きなのだ。

あれこれ、前置きが長くなったが、そろそろ筑波サーキットへ出発しよう。レースに備えて前日入りして30分×2本の練習走行をして、翌日、タイムアタック、決勝という流れだ。いつもは自走していくのだが、今回は初戦からレースをサポートし続けてくれる浅野さんのトランポに載せてもらい大名気分で筑波サーキットに到着。

レース仲間のいくさんは1本目の練習走行を終えて休憩中。昨年まで私が付けていたゼッケン18番を今年から付けている。こちらは心機一転してゼッケン2番を付ける。いくさんは昨年MAX10クラスで優勝したため、今年はさらに速いクラスでの参戦となる。

せっかくなので私が参戦しているMAX10について簡単に説明しておこう。これは主にイタリアのバイクのオーナーが、ハイコスパで速くて運転しやすい国産車と競争せずにレースを楽しむ、大人のレースごっこである。レースごっこと言っても開催しているの本物のレースでレギュレーションもきちんと決まっている。エントリーするのはほとんどがイタリアのドゥカティというメーカーのバイクである。モトグッチとかアプリリアとかBMW、トライアンフなども混じって、ピットの雰囲気は派手なイタリアンカラーに包まれる。レーシングパーツを惜しげもなく使った数百万円するマシンがサーキットを走るのは壮観でギャラリーも多い。汚いマシンは車検で落とすという噂もある美しさ重視のレースごっこなのだ。

日本にまだ数台しか納車されていない、アプリリアRSV4で初参戦の玉井さんのマシンは、この日のために制作されたレーシングカウルを装着してピカピカに輝いていた。

いよいよ、スターティンググリッドを決めるタイムアタックの時間が近付いた。サーキットはにわかに活気を増し、ピットクルーがキビキビと作業を進める。

このままレースレポートを続けているといつまで経っても高速連写機能にたどり着けそうもないので、ここで一気に秒8.4コマの連写をお見せする。リサイズなしで圧縮率だけ変更した軽いデータをアップしてある。47番の玉井さんの決勝レースでのイチヘアのコーナリングを連写したものだ。







さらにステレオ録音でHD動画も録れるのだから、まさにレース向きだ。これなら気軽に応援に来てくれた知人にカメラを渡して、走行シーンの撮影が頼める。一眼レフだとそう簡単にはいかない。結局、今回は私の走行写真は撮れなかったのだが、棚からぼた餅的に MAX15の初戦で3位に入賞することができた。これは幸先いいね!
次回は『IXY 30S』が本領を発揮する夜景&お散歩編をお届けする。
キヤノン『IXY 30S』

【SPEC】
●幅100×高さ54.1×奥行き23.6mm、約175g(撮影重量)。有効画素数=約1000万画素。焦点距離=28〜105mm(35mm換算)。開放F値=F2.0〜5.3。
■キヤノンのホームページ
http://canon.jp/
■『IXY 30S』の製品ページ
http://cweb.canon.jp/camera/ixyd/30s

川野剛
カメラマンに憧れ中1で押し入れ暗室にこもる。高校で写真部部長。コピーライターとなるが、会社を辞め単身カナダに渡りアウトドアインストラクターを目指す。帰国後、AV、家電、デジカメ、Macの好きなライター稼業を続ける。家事検定3ツ星、NPS会員。
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さらによく見るとブラックとホワイトでは部品の表面仕上げが異なる。ザラザラしたマットブラックのサイドパネルは光沢があってツヤツヤだが、ホワイトの同じパーツはツヤ消しのマット仕上げである。

そしてレンズの外周にあるリングの色もホワイトはシルバー、ボディー色がシルバーならブラックのリングになっている。この辺りのこだわりがハイエンドなのか。

レンズは28mmから105mmのズームで開放F値はF2.0と沈胴式のズームの中では抜群に明るい。惜しいのはちょっとでもズーミングするとF2.5になること。105mmではF5.3になってしまう。まあ、広角側が明るい方が実用的であることは確かだ。

私が気に入ったカラーはイエローだ。イエローのカメラというのは見たことがない。防水銀塩カメラのオレンジの『ニコノスV』と合わせてもっと目立ちたい。

さらに今回画期的なのは、今までかたくなに4:3のフォーマットサイズを守ってきたキヤノンがコンデジで16:9の静止画に対応したこと。上下をトリミングしているので画角自体が広がるわけではないが、大画面TVにHDMI接続して見るときなどに便利。私は広角好きなので普段から16:9で使っている。それから絞り優先モードにすると下に絞り値とシャッター速度が表示され、右端にISO感度も出る。この状態で構図用のグリッドも表示できるところが非常に使いやすい! なぜかグリッドを出すと他の表示が出ない仕様のコンデジが多いが、さすがカメラメーカーである。グリッドのラインも細くていいのだが、黒なので見にくい場合がある。私は白の方が好きなのだ。

あれこれ、前置きが長くなったが、そろそろ筑波サーキットへ出発しよう。レースに備えて前日入りして30分×2本の練習走行をして、翌日、タイムアタック、決勝という流れだ。いつもは自走していくのだが、今回は初戦からレースをサポートし続けてくれる浅野さんのトランポに載せてもらい大名気分で筑波サーキットに到着。

レース仲間のいくさんは1本目の練習走行を終えて休憩中。昨年まで私が付けていたゼッケン18番を今年から付けている。こちらは心機一転してゼッケン2番を付ける。いくさんは昨年MAX10クラスで優勝したため、今年はさらに速いクラスでの参戦となる。

せっかくなので私が参戦しているMAX10について簡単に説明しておこう。これは主にイタリアのバイクのオーナーが、ハイコスパで速くて運転しやすい国産車と競争せずにレースを楽しむ、大人のレースごっこである。レースごっこと言っても開催しているの本物のレースでレギュレーションもきちんと決まっている。エントリーするのはほとんどがイタリアのドゥカティというメーカーのバイクである。モトグッチとかアプリリアとかBMW、トライアンフなども混じって、ピットの雰囲気は派手なイタリアンカラーに包まれる。レーシングパーツを惜しげもなく使った数百万円するマシンがサーキットを走るのは壮観でギャラリーも多い。汚いマシンは車検で落とすという噂もある美しさ重視のレースごっこなのだ。

日本にまだ数台しか納車されていない、アプリリアRSV4で初参戦の玉井さんのマシンは、この日のために制作されたレーシングカウルを装着してピカピカに輝いていた。

いよいよ、スターティンググリッドを決めるタイムアタックの時間が近付いた。サーキットはにわかに活気を増し、ピットクルーがキビキビと作業を進める。

このままレースレポートを続けているといつまで経っても高速連写機能にたどり着けそうもないので、ここで一気に秒8.4コマの連写をお見せする。リサイズなしで圧縮率だけ変更した軽いデータをアップしてある。47番の玉井さんの決勝レースでのイチヘアのコーナリングを連写したものだ。







さらにステレオ録音でHD動画も録れるのだから、まさにレース向きだ。これなら気軽に応援に来てくれた知人にカメラを渡して、走行シーンの撮影が頼める。一眼レフだとそう簡単にはいかない。結局、今回は私の走行写真は撮れなかったのだが、棚からぼた餅的に MAX15の初戦で3位に入賞することができた。これは幸先いいね!
次回は『IXY 30S』が本領を発揮する夜景&お散歩編をお届けする。
キヤノン『IXY 30S』

【SPEC】
●幅100×高さ54.1×奥行き23.6mm、約175g(撮影重量)。有効画素数=約1000万画素。焦点距離=28〜105mm(35mm換算)。開放F値=F2.0〜5.3。
■キヤノンのホームページ
http://canon.jp/
■『IXY 30S』の製品ページ
http://cweb.canon.jp/camera/ixyd/30s
川野剛
カメラマンに憧れ中1で押し入れ暗室にこもる。高校で写真部部長。コピーライターとなるが、会社を辞め単身カナダに渡りアウトドアインストラクターを目指す。帰国後、AV、家電、デジカメ、Macの好きなライター稼業を続ける。家事検定3ツ星、NPS会員。
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