キングジム
『ポメラ DM20』

いつでもどこでも「メモる」──という新しいコンセプトのデジタルメモに、上位機種が登場した。大画面と強化された機能は、どこまでライターの要求に応えられるのか。

まず、『ポメラ』って何? という方のために簡単に説明しておこう。キングジムが作ったどこでもメモがとれるデジタルメモ。つまり、プリンター非搭載のワープロである。キーボードを折りたたみ式にすることで、キーピッチ17mmを確保して、ほぼフルサイズのキータッチを実現。さらに日本語変換にATOKを採用。起動は約2秒で文章は自動保存されるなど、何も考えなくてもとにかく開ければすぐに日本語入力ができるマシンだった。そのシンプルさと打ちやすさが受けて、年間売り上げ10万台のヒット商品になった。これの第2弾として上位機種の『DM20』が発売されたのだ。その違いは……

1.液晶サイズを4インチから5インチにアップ
2.フォルダ管理機能を追加
3.保存できる文字制限をほぼ解除して最大1000ファイルまで保存OK
4.指定文字数で改行できる機能を追加
5.単4エネループに対応
6.ATOKのオプション辞書30種類を追加
7.テキストをQRコードに変換してケータイに転送できる
8.キーボードの色が白から黒になった
ざっとこんな変更。さらにデザインも変わった。『DM10』はオレンジやホワイトがあって、若々しい感じだったが、今度はシックなブラックとブラウンの2色。しかも表面はクロコダイル調のエンボス加工がされている。価格は3万4650円で実売約2万6000円、『DM10』は価格2万7300円で実売約1万5000円なので約1万1000円高いことになる。最大の違いは『DM10』は8000文字までしか保存できない制約があったのだが、今回はそれが2万8000文字と桁違いに増やされたことだ。まあ、私は『DM10』を使っていないのでこれがどれだけ問題なのか実感できないが、知人のライターによれば、文字数制限より、保存したテキストをメールで送れないことが問題らしい。microSDカードに保存してPC経由で送るしかないという。テキスト形式で保存されるが、ケータイではカードからデータを読み取れないらしい。とするとせっかく『ポメラ』で軽装になれても、結局ノートPCがないとデータが送れないという問題に直面する。今回、それを回避すべく加わった機能が、QRコード変換機能だ。3200文字までのテキストをQRコードに変換して、ケータイで読み取れるという機能だ。話がどんどん進んでいるが、ここでちょっと画像をお見せしよう。

まず、これが『DM20』の本体である。カラーはリザードブラック。ちょっと厚みのある電子辞書という感じで、重さは結構ある。

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そして、液晶モニターを開いて、左側のロック解除ボタンを押してからキーボードを開くと、キーボードが左にスライドして最後にカチッとロックされる仕組みだ。

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ちなみに裏側にはスライド式の固定アームがあり、キーボードを裏側から支える。

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右側面には、USBポートとカードスロットがある。ちなみにUSB接続はMacには非対応なので、私は本体メモリーを使わず最初からmicroSDカードを保存先に指定している。

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私が愛用する取材用ノート+スケジュール帳は、『ほぼ日 Cousin』なのだが、これにオーダーメイドした革カバーを付けるとかなり重い。実測700gもあるのだ。これを常時携帯するのは、かなり重い。発表会に行くときはもっと軽装備で……そう考えると『DM20』の電池込み実測385gはかなり軽い。これだけでいいなら、カバンもかなり軽くなる。もちろん、持ち運ぶサイズもこんなに小さくなる。

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リザードブラックのパネルは、オプションで交換用のものがあるのだが、これが3150円もするので、とりあえずステッカーチューンしてみた。モニターを立てたときに相手から読めるような向きでまとめたのだが『LeoVince』ステッカーではバイク好きにしかアピールできないため、もう少し汎用性の高いものに張り替える予定。

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それでは、いよいよワープロとしての使い心地を試してみよう。起動画面はなく、電源を押せばすぐに入力画面が現われる。

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カスタマイズのために「オプション」を見てみよう。「表示設定」を選択すると「背景色」が選べる。

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発表会で実際に使ってみると白よりも黒バックの方が、周りから目立たず暗くても見やすいので、私は背景は黒を選択している。

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次に「ツール」を選択。ここに「QRコード表示」がある。表示中の文章をQRコードに変換してくれる期待の新機能だ! しかし、ここに思わぬ制約があった。QRコードは一度に200文字しかテキストをコード化できないのだ。最大3200文字対応だが、それには、16個のQRコードを読み取らなければならない。生成は自動的にできるのだが、読み取りが超面倒である。ここに実際に200文字をQRコード化した文章があるので、ケータイで読み取ってどんな風になるのか試していただきたい。右上を見ると1/2と表示されているが、これは文章全体が分割されて2つのQRコードになっていることを意味する。一度に200文字しか送れないのにはガッカリ。私は「TransferJet」推進派なので、次号機にはぜひこちらを搭載してほしい。

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続いて「辞書」の「ATOKオプション」を開くと30種類の専門用語辞書が追加できる。私が愛用しているのは和英辞書。英語の読みを日本語で入力すると英単語に変換できる便利な辞書なのだ。


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こんどは「書式」から「自動改行設定」を選択。これで1行の文字数が設定できる。ライターには重要な機能だ。記事の文字数は決まっているので、どこで改行されるか、全体でいま何行目なのかが把握できないと困るのだ。さらに「カーソル位置保存設定」を使えばいままで入力していた位置にカーソルが保存され、次回起動時にすぐに続きを入力できる。これもほしかった機能だ。

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最後に保存だが「ファイル」の「名前を付けて保存」を選択。microSDカードを選択してフォルダーを選んで、ファイル名を付けて保存できる。これならPCと変わらない。フォルダーを作ったり名前を付けたりもできるのだが、これはPCでやった方が速いだろう。

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実際に取材に使ってみた感想は、予想以上に使える。私は字が汚くて就職して初めてのボーナスを全部使ってワープロを80年代に購入。キーボード生活25年なので、メモを取るよりキーボードを叩いた方が早いことがわかった。しかも取材メモを後で見ると何を書いてあるか自分でも判読できないことがあるが、『DM20』ならそんな心配も皆無。しかもテキストデータなので、コピペすればすぐに使えるという利点が大きい。キーボードがカチカチいわないので、取材中もどんどん打てる。発表会で隣にIBMのノートPCを開かれて、いきなりカチカチ打たれるとかなりうっとうしい。しかも私はタッチタイピングができて早いのよ的な素早いタイピングなのでよりうるさいのだ。これからのノートPCの課題はキーボード静音化! 話を戻すと『DM20』のキーボードはその点、よくできている。ネットブックのフニャフニャキーボードよりずっと打ちやすいことを明記しておこう。

ライターが買う分にはネットブックより安くて、軽くて、電池が長持ちという点でメリットがある。ビジネスマンの場合は、ノートPCが必要ないけど、会議で議事録とかメモを取る必要があるときには便利だろう。ただし、それだけのために買うのはちょっと贅沢なプロ用グッズなのである。

キングジム『ポメラ DM20』

Seihin


【SPEC】
●幅145×高さ33×奥行き100mm、約370g(電池別)。本体色=バイソンブラウン、リザードブラック。キーボード=折りたたみ式、キーピッチ約17mm。本体メモリー=最大保存可能文字数は2万800文字。ファイル形式=テキスト。液晶モニター=5インチモノクロ、VGA(640×480ドット)。電池寿命=約20時間。価格3万4650円。

■キングジムのホームページ
http://www.kingjim.co.jp/
■『ポメラ DM20』の製品ページ
http://www.kingjim.co.jp/pomera/dm20/index.html



プロファイル
川野剛
カメラマンに憧れ中1で押し入れ暗室にこもる。高校で写真部部長。コピーライターとなるが、会社を辞め単身カナダに渡りアウトドアインストラクターを目指す。帰国後、AV、家電、デジカメ、Macの好きなライター稼業を続ける。家事検定3ツ星、NPS会員。

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