
『DIGITAL FISHEYE CONVERTER KDF-025』
広角レンズを極めようとすると対角線魚眼から全周魚眼レンズへと進む。画角は遂に180度に達し見るもの全てを写しとることができるようになる。その全貌をご紹介しよう!
私は広角レンズ、否、超広角レンズが大好きである。APS-Cサイズでは対角線魚眼まで持っているが、ほんとうはフルサイズの全周魚眼レンズが欲しい。一番欲しいのは、1968年に発売された『OP Fisheye-Nikkor 10mm F5.6』である。前玉に世界初の非球面レンズを採用した魚眼である。しかも、この非球面は神業的な手作業によって磨かれているのだ。なぜ、非球面を採用したかといえば、等距離射影でなく正射影のレンズを作りたかったからのなのだ。じゃあ、正射影って何かと一言で説明すれば「画面に占める面光源の面積が、撮影した場所の照度に比例する」と言うことになっている。もともと照度測定などの学術用レンズなので、そんな難しいことになっているが、現物を見るとその前玉のカーブが非常に美しいのだ。深い湖の底を見るような幽香なる色合いを見せ、何時までも飽きずに見ていられる。そして魚眼マニアでなくてもニッコールレンズマニアなら、一度は手に入れたいのが『Ai Fisheye Nikkor 6mm F2.8S』である。何と世界最高の画角220度を誇る。いや誇るっていうか、自分の足が必ず写ると思うのだが……。しかも重さが5.2kgもあるので気軽にスナップに持っていくわけにもいかない。噂によると南極観測用に『6mm F1.4』というレンズもあるらしい。
前置きが長くなったが、今回はそんな究極の全周魚眼レンズの画像をあなたのコンデジで簡単に撮影できるキットがあるのだ。条件はレンズ前玉の直径が17mm以下であること。
コンパクトなボディーは金属製で適度に重く、梨地仕上の表面は高級感がある。

コンデジと接する面にはフェルトが貼られていて、キズが付く心配はない。

このフィッシュアイコンバーターを片手で持って、コンデジのレンズに密着させて、あとは液晶画面を見ながら撮影する、というシンプルな仕組みだ。

撮影するとこんな感じになる。今回は画質を比較するため、リサイズなしで圧縮率だけ変更して画像をアップしている。ただし、無駄な容量を省くため上下左右の黒い部分はカットしている。これはLEICA『D-LUX4』で撮影した。ISO400なのでちょっとザラザラしている。

付属の専用ソフトで撮影した画像を開くと、超広角に変換できる。焦点距離も指定できるので、今回は17mmを選んだ。

少々、歪みが気になるが確かに超広角に変換できた。これでワイコンが使えないコンデジも気軽に超広角化できるのだ。

そうこうしているうちに世界最大のオークションサイト「eBay」にミントコンデションの『Ai Fisheye Nikkor 6mm F2.8S』が出品された。値段は40,500ドル。円高だから日本円に換算すると366万円ぐらいか。思わずポチッと……。

10日後、エアメールが届いたよ〜 早速開封してみよう!

残念ながら366万円は無理だったので代わりに落札したのが、LEICA『D-LUX4』の46mmから52mmへのステップアップリングと魚眼コンバージョンレンズのセットで75ドル、送料無料。これは安かった。魚眼は多分、トダ精光のOEMなので日本製と思われる。

なぜ、そう思ったかと言えば、外すとマクロレンズになる構造だからだ。LEICA『D-LUX4』はマクロ1cmなので、これを装着する意味はないが、マクロが10cmとかのデジカメに有効なレンズだ。

オマケにステップアップリングを使って52mmのPLフィルターとレンズフードを付けたところをお見せしよう。リングはシルバーの方がいいと思ったが、結局フィルターの枠とかフードが黒いので、こちらの方がしっくりくるかもしれない。

でもってこれが阿佐谷ジャズストリートで撮った全周魚眼レンズの画像だ。画角は計算上、8.8mmぐらいか。明るいと内部反射で円周の外側にリング状のものが写る。センターの解像度はなかなか高いが、周囲にいくと怪しくなり、特にこの画像では左端が厳しい。

これでは納得できないので、Nikkor最後の全周魚眼とも言われる、ニコン『CoolPix 4500』などのコンデジ用魚眼コンバージョンレンズである『Nikon fisheyeFC-E9 0.2× LensConverter』を「eBey」で落札した。一般的には『FC-E8』が有名だが、こちらは倍率0.21で、取り付け径が28mmなのだ。28mmだとステップダウンリングが必ず必要になる。そこで思い切って取り付け径が46mmで、倍率0.2倍の『FC-E9』に決めた。重量は580gとデジイチのボディーと同じぐらいのヘビー級だ。0.25倍のコンバージョンレンズと比較するとかなり迫力がある。

早速、LEICA『D-LUX4』に装着してみた。ストレートでレンズアダプターに装着できるのため、純正オプションのように決まる! 表面は微妙な曲線を描いており、ここに風景が写り込むとガラス工芸品のように美しい。レンズ沼の住人なら、このレンズを磨いているだけで、心が癒されるに違いない。私も毎日、癒されている。


『FC-E9』は心を癒してくれたが、実は『D-LUX4』にはかなり重荷になる。恐るべきことだが、『D-LUX4』のレンズマウント部分はプラスチック製なのだ。しかも固いエンジニアリングプラスチックなどではなく、どちらかと言えば柔らかいプラスチックだ。金属製のレンズアダプターで簡単にネジ切れてしまう。『FC-E9』は580gもあるため、多分設計者の想定外の重さがここにかかる。心配なので、魚眼専用コンデジをゲットした。中古のキヤノン『PowerShot G7』である。4世代前のモデルなので、ハイエンドながら価格もこなれている。そしてマウント径は51mmもあり、固いプラスチック製で、しかもデジイチと同じクイックマウントを採用しているのだ。これなら安心で着脱も素早くできる。さらに都合のいいことに広角側35mmだ。魚眼レンズコンバーターを使うなら画面の無駄を省くため35mmぐらいがちょうどいいのだ。解放絞りはF2.8とまずまず明るい。これにレンズアダプターと58mmから46mmのステップダウンリングを装着する。

予想通りに『FC-E9』は装着可能で広角35mmでもケラレなかった。ヨコから見ると段付きでちょっとカッコ悪いが、段差があった方が持ちやすかった。純正のレンズアダプターはプラスチック製の分際で2000円近くする。速攻でアルミ製を香港に発注、6.80ドルで送料は無料だ。これで魚眼レンズまでフルメタル構成完了。『D-LUX4』と違って、なかなか硬派な面構えになった。


さらにお得意のステップダウンリングを2枚使って、APS-Cサイズ用のNikkorレンズにも『FC-E9』を取り付けた。これで『D200』で撮影できる。もちろんAFもVRも使える全周魚眼レンズだ。しかも小型軽量。これなら『D700』でも『D3』でも使えるなきっと。


最後に『FC-E9』で撮った作例をお見せしよう。まず阿佐谷パールセンター街。真上に向けて撮るとアーケードが全てつながり、エッシャー的な雰囲気になる。

仕事部屋に三脚を立ててセルフタイマーでセルフポートレート。腕が写っても構わなければ、全周魚眼は最強の自分撮りレンズになる。

晴天の時に空にレンズを向けると、必ずどこかに太陽が写り込む。逆光とか考える必要はない。露出は補正しなくてもオートで結構いける。また太陽はマンガのような感じで写るためそんなに気にならない。

まだ、大した枚数を撮っていないが、全周魚眼は普通のレンズと全く違っていて、新鮮な驚きに満ちている。まず、どんな被写体もすごく小さく写るため、主題が決まりにくく、普通に撮ると写真が丸いだけで何を撮ったのかわからなくなる。超広角以上に被写体に近付く必要がある。さらに全周魚眼は『QuickTimeVR』を使った360度パノラマ写真を撮るのにも使える。そしてコンデジを使えば全周魚眼で動画も撮れるのだ! ということでいろんな楽しみ方ができる全周魚眼は、デジイチよりもコンデジと相性のいいレンズと言ってもいいだろう。
ケンコー『DIGITAL FISHEYE CONVERTER KDF-025』

【SPEC】
●最大径φ49.5×全長36mm。付属ソフト対応OS=Windows 2000/XP/Vista(Windows98、Me、Macには未対応)。セット内容=レンズ本体、レンズキャップ、ネックストラップ、ホルダーマウント、スクリューマウント(レンズ先端にシール式で取り付けるねじ込み式のマウント)、ポーチ、ソフト(CD-ROM)、取扱説明書。
■ケンコーのホームページ
http://www.kenko-tokina.co.jp/
■『KDF-025』の製品ページ
http://www.kenko-tokina.co.jp/d/4961607432495.html

川野剛
カメラマンに憧れ中1で押し入れ暗室にこもる。高校で写真部部長。コピーライターとなるが、会社を辞め単身カナダに渡りアウトドアインストラクターを目指す。帰国後、AV、家電、デジカメ、Macの好きなライター稼業を続ける。家事検定3ツ星、NPS会員。
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このフィッシュアイコンバーターを片手で持って、コンデジのレンズに密着させて、あとは液晶画面を見ながら撮影する、というシンプルな仕組みだ。

撮影するとこんな感じになる。今回は画質を比較するため、リサイズなしで圧縮率だけ変更して画像をアップしている。ただし、無駄な容量を省くため上下左右の黒い部分はカットしている。これはLEICA『D-LUX4』で撮影した。ISO400なのでちょっとザラザラしている。

付属の専用ソフトで撮影した画像を開くと、超広角に変換できる。焦点距離も指定できるので、今回は17mmを選んだ。
少々、歪みが気になるが確かに超広角に変換できた。これでワイコンが使えないコンデジも気軽に超広角化できるのだ。
そうこうしているうちに世界最大のオークションサイト「eBay」にミントコンデションの『Ai Fisheye Nikkor 6mm F2.8S』が出品された。値段は40,500ドル。円高だから日本円に換算すると366万円ぐらいか。思わずポチッと……。

10日後、エアメールが届いたよ〜 早速開封してみよう!

残念ながら366万円は無理だったので代わりに落札したのが、LEICA『D-LUX4』の46mmから52mmへのステップアップリングと魚眼コンバージョンレンズのセットで75ドル、送料無料。これは安かった。魚眼は多分、トダ精光のOEMなので日本製と思われる。

なぜ、そう思ったかと言えば、外すとマクロレンズになる構造だからだ。LEICA『D-LUX4』はマクロ1cmなので、これを装着する意味はないが、マクロが10cmとかのデジカメに有効なレンズだ。

オマケにステップアップリングを使って52mmのPLフィルターとレンズフードを付けたところをお見せしよう。リングはシルバーの方がいいと思ったが、結局フィルターの枠とかフードが黒いので、こちらの方がしっくりくるかもしれない。

でもってこれが阿佐谷ジャズストリートで撮った全周魚眼レンズの画像だ。画角は計算上、8.8mmぐらいか。明るいと内部反射で円周の外側にリング状のものが写る。センターの解像度はなかなか高いが、周囲にいくと怪しくなり、特にこの画像では左端が厳しい。

これでは納得できないので、Nikkor最後の全周魚眼とも言われる、ニコン『CoolPix 4500』などのコンデジ用魚眼コンバージョンレンズである『Nikon fisheyeFC-E9 0.2× LensConverter』を「eBey」で落札した。一般的には『FC-E8』が有名だが、こちらは倍率0.21で、取り付け径が28mmなのだ。28mmだとステップダウンリングが必ず必要になる。そこで思い切って取り付け径が46mmで、倍率0.2倍の『FC-E9』に決めた。重量は580gとデジイチのボディーと同じぐらいのヘビー級だ。0.25倍のコンバージョンレンズと比較するとかなり迫力がある。

早速、LEICA『D-LUX4』に装着してみた。ストレートでレンズアダプターに装着できるのため、純正オプションのように決まる! 表面は微妙な曲線を描いており、ここに風景が写り込むとガラス工芸品のように美しい。レンズ沼の住人なら、このレンズを磨いているだけで、心が癒されるに違いない。私も毎日、癒されている。


『FC-E9』は心を癒してくれたが、実は『D-LUX4』にはかなり重荷になる。恐るべきことだが、『D-LUX4』のレンズマウント部分はプラスチック製なのだ。しかも固いエンジニアリングプラスチックなどではなく、どちらかと言えば柔らかいプラスチックだ。金属製のレンズアダプターで簡単にネジ切れてしまう。『FC-E9』は580gもあるため、多分設計者の想定外の重さがここにかかる。心配なので、魚眼専用コンデジをゲットした。中古のキヤノン『PowerShot G7』である。4世代前のモデルなので、ハイエンドながら価格もこなれている。そしてマウント径は51mmもあり、固いプラスチック製で、しかもデジイチと同じクイックマウントを採用しているのだ。これなら安心で着脱も素早くできる。さらに都合のいいことに広角側35mmだ。魚眼レンズコンバーターを使うなら画面の無駄を省くため35mmぐらいがちょうどいいのだ。解放絞りはF2.8とまずまず明るい。これにレンズアダプターと58mmから46mmのステップダウンリングを装着する。

予想通りに『FC-E9』は装着可能で広角35mmでもケラレなかった。ヨコから見ると段付きでちょっとカッコ悪いが、段差があった方が持ちやすかった。純正のレンズアダプターはプラスチック製の分際で2000円近くする。速攻でアルミ製を香港に発注、6.80ドルで送料は無料だ。これで魚眼レンズまでフルメタル構成完了。『D-LUX4』と違って、なかなか硬派な面構えになった。


さらにお得意のステップダウンリングを2枚使って、APS-Cサイズ用のNikkorレンズにも『FC-E9』を取り付けた。これで『D200』で撮影できる。もちろんAFもVRも使える全周魚眼レンズだ。しかも小型軽量。これなら『D700』でも『D3』でも使えるなきっと。


最後に『FC-E9』で撮った作例をお見せしよう。まず阿佐谷パールセンター街。真上に向けて撮るとアーケードが全てつながり、エッシャー的な雰囲気になる。

仕事部屋に三脚を立ててセルフタイマーでセルフポートレート。腕が写っても構わなければ、全周魚眼は最強の自分撮りレンズになる。

晴天の時に空にレンズを向けると、必ずどこかに太陽が写り込む。逆光とか考える必要はない。露出は補正しなくてもオートで結構いける。また太陽はマンガのような感じで写るためそんなに気にならない。

まだ、大した枚数を撮っていないが、全周魚眼は普通のレンズと全く違っていて、新鮮な驚きに満ちている。まず、どんな被写体もすごく小さく写るため、主題が決まりにくく、普通に撮ると写真が丸いだけで何を撮ったのかわからなくなる。超広角以上に被写体に近付く必要がある。さらに全周魚眼は『QuickTimeVR』を使った360度パノラマ写真を撮るのにも使える。そしてコンデジを使えば全周魚眼で動画も撮れるのだ! ということでいろんな楽しみ方ができる全周魚眼は、デジイチよりもコンデジと相性のいいレンズと言ってもいいだろう。
ケンコー『DIGITAL FISHEYE CONVERTER KDF-025』

【SPEC】
●最大径φ49.5×全長36mm。付属ソフト対応OS=Windows 2000/XP/Vista(Windows98、Me、Macには未対応)。セット内容=レンズ本体、レンズキャップ、ネックストラップ、ホルダーマウント、スクリューマウント(レンズ先端にシール式で取り付けるねじ込み式のマウント)、ポーチ、ソフト(CD-ROM)、取扱説明書。
■ケンコーのホームページ
http://www.kenko-tokina.co.jp/
■『KDF-025』の製品ページ
http://www.kenko-tokina.co.jp/d/4961607432495.html
川野剛
カメラマンに憧れ中1で押し入れ暗室にこもる。高校で写真部部長。コピーライターとなるが、会社を辞め単身カナダに渡りアウトドアインストラクターを目指す。帰国後、AV、家電、デジカメ、Macの好きなライター稼業を続ける。家事検定3ツ星、NPS会員。
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